マグネットシールの強力タイプ|粘着と磁力の違いを解説
売り場では「マグネットシール」と「マグネットシート」が隣に並び、厚みだけが0.5mmと0.8mmで違う、という並び方をしていることがあります。この2つの呼び名に規格上の区別はなく、実際に中身を分けているのは粘着剤が付いているかどうかと、印刷できる白い面があるかどうかです。
厚みの数字は磁力の強さにそのまま関わりますが、パッケージにある「吸着力」はニュートン、フックなどに書かれる「耐荷重」はキログラムで、別の意味を持つ数値です。混同したまま選ぶと、貼った瞬間に端が浮いたり、屋外で一晩もたなかったりします。
本記事では、厚み表記が何を示すのか・等方性と異方性で磁力がどれだけ変わるのか・車や冷蔵庫に貼る前の確認手順を解説します。

マグネット党編集部
マグネットの選び方を用途別に解説。100均・収納・スマホ・車・DIY・印刷用まで、耐荷重と貼る面で比較できます。仕様はメーカー公式や公的機関の資料で確認し、時点を明記しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
マグネットシールは、磁性粉を練り込んだゴムシートです
板状の磁石を薄く削ったものではありません。
フェライトの磁性粉を合成ゴムや樹脂に練り込み、圧力をかけて薄く延ばしたものが、売り場でマグネットシールと呼ばれている製品です。
そのため、はさみやカッターで好きな形に切れますし、多少は曲げられます。
硬い焼結(しょうけつ)磁石と違って欠けたり割れたりしない一方、同じ面積で出せる力はネオジム磁石にはとても及びません。
「シール」と「シート」の呼び分け
この2語を分ける公的な決まりはなく、通販でも同じ商品が両方の名前で出てきます。
強いて傾向を言えば、裏に粘着剤が付いた薄手のものや、印刷済みで貼るだけの製品を「シール」と呼ぶ店が多いです。
名前で判断せず、仕様表の厚みと粘着剤の有無を見てください。
吸着力と耐荷重は別の数値です
吸着力は、密着した状態から垂直に引き剥がすのに要る力で、単位はニュートン(N)です。
1cm²あたりの値で書かれることも多く、面積を掛けないと全体の力になりません。
対して耐荷重はキログラム表記で、ぶら下げられる重さを示します。
すべり落ちる向きの力に対しては、吸着力の数値がそのまま効く場面はほとんどなく、表示より軽い重さでもずり落ちます。
厚みは0.5mm前後から1mm超まで|数字は磁力の余裕を表します
厚みと磁力はおおむね比例します。
薄いほど弱く、厚いほど強い、という単純な関係です。
そのうえで、厚みは磁力以外の性質も一緒に決めてしまいます。
| 厚みの目安 | 性質 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 0.5mm前後の薄手 | 切りやすく曲面に沿うが、磁力は控えめ | 冷蔵庫やスチール棚など、室内の平らな鉄面 |
| 0.8mm前後の中厚 | 手切りできる範囲で磁力に余裕がある | 掲示物、ホワイトボード、屋内の名札や表示 |
| 1mm以上の厚手 | 重く、はさみでは切りにくい | 車のドア、屋外看板、風にあおられる場所 |
迷ったときは、貼る面が平らかどうかと、屋外かどうかの2点で決めてください。
室内の平面なら薄手で足りますし、そのぶん切り分けが楽です。
車体のようにゆるく曲がった面や、風が当たる屋外では、端から浮いた瞬間に一気に剥がれるため、厚手を選んだほうが安全です。
屋外の掲示に使う場合の固定方法はマグネット看板の耐候性と取り付け方で解説しています。
表面と粘着剤の組み合わせで、印刷できるかが決まります
マグネットシールの表面には、ゴムの素地がそのまま出ている黒いタイプ、白い塩化ビニールを貼り合わせたタイプ、インクを受け止める層を設けた印刷対応タイプ、カラーやつや消しに仕上げたタイプがあります。
黒い素地のものにマーカーで書いても、乾いてから触ると擦れて消えてしまいます。
文字や写真を載せるなら、表面が印刷向けに処理されているかを確認してください。
家庭のプリンターで刷るなら「インクジェット対応」の表記を探す
印刷対応と書かれていても、インクジェット用とレーザー用は別物です。
レーザープリンターは定着に熱を使うため、耐熱を想定していないシートを通すと変形や機内での詰まりが起きます。
自作と業者依頼で仕上がりがどう変わるかはマグネットシートに印刷する方法で解説しています。
粘着剤付きは「磁石で貼る」ためのものではありません
裏面に粘着剤が付いた製品は、磁力の面を外に向けて、木の板や樹脂の壁に貼り付けて使います。
つまり、磁石が付かない場所に磁着(じちゃく)できる面を作るための材料です。
もう一つの使い道は、別に印刷した紙やステッカーを貼り合わせて、マグネット化することです。
この2つを取り違えると、買ったのに貼れないという事態になります。
同じ厚みでも磁力が違う|等方性と異方性というマグネットシールの表記
磁性粉の向きを揃えて成形したものが異方性、揃えていないものが等方性です。
同じ厚みなら、異方性は等方性のおよそ1.5倍の磁力になります。
厚みだけを見比べて「同じ0.8mmだから同じ」と考えると、ここで差が出ます。
やっかいなのは、パッケージや商品ページにこの区別が書かれていない製品が少なくないことです。
書かれていなければ、厚みの数字だけで比較しても意味が薄いと考えてください。
判断材料が仕様表に無いなら、同じ売り手の中で厚手を選ぶか、少量を先に取り寄せて実際の面に当ててみるほうが確実です。
吸着力の数値を比べるときは試験条件を揃える
公表されている吸着力は、平らで塗装の薄い鉄板に密着させ、垂直に引き剥がした条件での値です。
実際に貼る扉は塗装が厚かったり、わずかに反っていたり、細かい凹凸があったりします。
その分だけ数値は下回ります。
単位もN/cm²で書く売り手とグラム表記の売り手があり、面積の基準も違うため、数値だけを並べた比較はあまり役に立ちません。
合わないマグネットシールを選ぶと、浮き・ずり落ち・貼り跡になります
いちばん多いのは、貼る面に鉄が入っていないという単純な理由です。
アルミのボンネットや樹脂のバンパー、ガラス扉の冷蔵庫には吸い付きません。
ステンレスは種類によって磁石が付くものと付かないものがあるため、小さな磁石を持って行って当ててみるのが早い確認方法です。
車に貼るときは、砂と洗車のタイミングを決めておく
車体に貼る場合、面とシートの間に砂を挟んだまま走ると、振動で細かい擦り傷が入ります。
定期的に外して、シートの裏と車体の両方を拭いてから貼り直す前提で使ってください。
長期間貼ったままにすると、周囲だけが日焼けして色の差が出ることもあります。
社用車の社名を隠す用途で選ぶ場合の判断材料は社名隠しマグネットの選び方、屋外での耐久性の考え方はマグネットステッカーの耐久性で選ぶ基準で解説しています。
冷蔵庫はメーカーの案内が分かれます
日立は側面や背面にも付けられるとしながら、付けすぎると放熱を妨げると案内しています。
パナソニックは側面には何も貼らないよう案内しています。
一方の情報を全メーカーに当てはめないでください。
ガラスドアの機種は磁石が付かないため、専用のマグネットセットが必要になります。
マグネットシールの仕様は、パッケージのどこに書いてあるか
店頭の袋入り製品なら、裏面の小さな表組みに厚み・寸法・材質・屋内専用かどうかが並んでいます。
見るべき順番は、厚み、粘着剤の有無、表面の仕上げ、そして屋外可の記載です。
この4つが分かれば、自分の用途に合うかはほぼ判断できます。
通販の場合は、商品画像ではなく仕様表を開いてください。
厚みがmmで書かれているか、吸着力の単位と試験条件が添えられているか、インクジェット対応と明記されているか、この3点が書かれていない出品は、届いてから用途に合わないと気づく確率が上がります。
書かれていなければ質問機能で聞くか、最小サイズを1枚だけ取り寄せて手元で試すのが確実です。
枚数がまとまる場合は、自分で切って作るより印刷業者へ出したほうが仕上がりが揃います。部数ごとの単価の考え方はオリジナルマグネットの作成費用、業者の選び分けは1個から作れる業者の比較で解説しています。
よくある質問
マグネットシールとマグネットシートは何が違うのですか
呼び名の違いで、規格上の区別はありません。
同じ商品が両方の名前で売られています。
粘着剤付きの薄手や印刷済みの製品をシールと呼ぶ傾向はありますが、例外も多いため、名前ではなく仕様表の厚みと粘着剤の有無で判断してください。
耐荷重3kgと書かれていれば、3kgの物を貼れますか
そのまま当てはめないでください。
表示は平らな鉄板に密着させた条件での値で、塗装の厚い扉やわずかに反った面では下回ります。
さらに、下向きにすべる力に対しては表示よりかなり軽い重さでずり落ちます。
余裕を持たせるか、面積を広く取るかで対応してください。
薄いマグネットシールを2枚重ねれば磁力は上がりますか
厚みと磁力はおおむね比例するため、重ねれば厚手に近い挙動にはなります。
ただし磁極の向きが合っていないと反発して浮くことがあり、間に接着層が入ると鉄面との距離も増えます。
安定させたいなら、最初から厚手の製品を選んだほうが確実です。
まとめ
マグネットシールを選ぶときに見るのは、厚み、粘着剤の有無、表面の仕上げ、屋外可の記載という4項目です。
厚みは磁力の余裕と切りやすさを同時に決め、等方性か異方性かでさらに1.5倍の差が付きます。
数値の比較は試験条件が揃っていないと意味を持たないので、迷ったら現物を貼る面に当てて確かめるのが早い方法です。
ぜひ本記事の厚み別の表と、パッケージで見る4項目の順番を参考に、貼る面と設置場所から逆算して選んでください。



