マグネットキャッチの選び方|扉が開く時の交換手順も

扉を押して閉めたのに、手を離すと少し戻って隙間が空きます。
開き戸のマグネットキャッチは、扉をこの閉じた位置で保つための家具金物で、性能はkgではなくN(ニュートン)で表記されます。
1Nは約100gの物にかかる重力と同じ大きさなので、数字だけを見ると頼りなく感じます。
ただしこの値は、磁石と受け座が隙間なく密着した状態でまっすぐ引き離したときの力です。
扉が反ってわずかに浮くだけで、表示どおりには効きません。
本記事では、N表記の読み方・面付けと埋め込みの寸法の見方・扉の重さと開ける人に合わせた強さの決め方を解説します。

マグネット党編集部
マグネットの選び方を用途別に解説。100均・収納・スマホ・車・DIY・印刷用まで、耐荷重と貼る面で比較できます。仕様はメーカー公式や公的機関の資料で確認し、時点を明記しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
マグネットキャッチは扉を閉じた位置で保つ金物|性能はNで表す
磁石側と受け座の2部品で1組
マグネットキャッチは、磁石が入った本体と、それを受ける鉄の板(受け座、吸着板と呼ばれます)の2つで成り立っています。
一般には本体を棚板や側板の内側に、受け座を扉の裏側にねじで留めて、扉が閉まると両者が当たって吸い付く仕組みです。
扉側に磁石を付ける取り付け方もありますが、どちらにしても本体と受け座はセットで働くので、片方だけを別製品と組み合わせると性能が変わります。
吸着力(N)と耐荷重(kg)は別の数値
マグネットキャッチのパッケージに書かれた数値は吸着力で、単位はNです。
扉を閉じた状態から引き剥がすのに要る力を示していて、何kgの物を掛けられるかという耐荷重とは意味が違います。
マグネットフックやマグネットホルダーの表記は物を保持する側の値なので、マグネットフックのおすすめで解説している耐荷重の読み方とは、そのまま比べられません。
加えて、手が感じる開けにくさは吸着力だけでは決まりません。取っ手が丁番から遠いほどてこが働いて軽く開くので、同じキャッチでも取っ手の近くに付けた扉は重く感じます。
面付けと埋め込み|マグネットキャッチの寸法表記の見方
| タイプ | 取り付け方 | 寸法表記の見方 | 向いている扉 |
|---|---|---|---|
| 面付け(ねじ止め) | 棚板や側板の内側に木ねじで留める | 全長×幅×高さと、取付穴のピッチ | 厚みの薄い扉、既製家具の後付け |
| 埋め込み(打ち込み) | あけた下穴に本体を差し込む | 外径φと全長、指定の下穴径 | 厚みのある木製扉、見せたくない箇所 |
| 強力タイプ | 面付け・埋め込みの両方がある | 吸着力のNと、磁石の材質表記 | 大きい扉、反りのある扉 |
面付けタイプは全長と取付穴のピッチを見る
面付けは本体が棚の内側に出るので、収納物が当たらないかを高さで確認します。
もうひとつ見落としやすいのが取付穴のピッチで、既存の穴を使い回すつもりなら、ここが合わない製品は付きません。
受け座側に前後の調整代がある製品なら、扉のかぶせ量が多少違っても位置を吸収できます。
埋め込みタイプは外径φと下穴径で決まる
埋め込みはφ表記が本体の外径で、これに対応する下穴の径と深さがパッケージに指定されています。
指定より大きい径であけると保持が甘くなって本体が抜け、小さすぎれば入りません。
扉や側板の厚みが本体の全長を下回る場所には使えないので、薄い化粧板の扉では面付けを選びます。
「強力」と書かれた製品はネオジムが入っている
同じ外径で吸着力を上げた製品は、フェライトではなくネオジム磁石を使っています。
小さい体積で強い力が出る反面、被覆が欠けると錆びるという弱点があり、水回りの収納では材質表記を確かめておきたいところです。
強力タイプの磁石の性質そのものは、強力マグネットフックの選び方で解説しているフックの場合と同じです。
扉の条件から強さを決める|マグネットキャッチ選びの順序
扉の厚みと材質で取り付け方が決まる
最初に決まるのは強さではなく取り付け方です。
扉と側板の厚みが下穴の深さを確保できるなら埋め込みが選べますが、薄い扉やガラス扉には穴があけられないので面付けになります。
ガラス扉の場合はねじ止めもできないため、専用の受け座を貼り付ける製品を探すことになります。
扉の大きさと開ける人で強さの上限が決まる
扉が大きく、反りが出やすいものほど強めの吸着力が要ります。
背の高い扉なら1つで足りず、上下2箇所に分けたほうが密着します。
一方で、強くすれば良いわけではありません。
子どもや高齢者が毎日開ける食器棚の扉に強すぎるものを付けると、開けるときに体ごと引かれて危険で、勢いで扉を戻す動きも大きくなります。
開ける人が誰かを先に決めて、そのうえで扉の重さに見合う下限を選ぶ順序が安全です。
地震時の飛び出しを抑えたい場合は、マグネットキャッチではなく、その目的の金物を検討してください。
同じN表記でも効き方がずれる理由
隙間が空くと吸着力は急に下がる
カタログのNは、磁石と付属の受け座を密着させ、まっすぐ引き離して測った値です。
磁力は距離が離れるとすぐに弱まるので、扉が反って受け座が浮いたり、塗装やクッションを挟んだりすると、表示より小さい力で開いてしまいます。
扉が閉まりきらない家具でキャッチだけを強い製品に替えても直らないのは、原因が吸着力ではなく隙間だからです。
受け座を別の金属板で代用すると数値が変わる
付属の受け座は、その磁石に合う厚みと材質で作られています。
手持ちの薄い鉄板やステンレス板で代用すると吸着力は落ち、ステンレスは種類によって磁石が付くものと付かないものがあるため、そもそも吸い付かないこともあります。
判断に迷ったら、小さな磁石を当てて反応を見てください。
磁石が付く金属と付かない金属の見分け方は、マグネットが冷蔵庫に付かない原因で解説している確かめ方がそのまま使えます。
強すぎるマグネットキャッチは、扉より先に取り付け部を痛める
弱すぎる場合の症状は分かりやすく、扉が半開きで止まる、風やペットが触ると開く、といった形で出ます。
厄介なのは強すぎる場合で、開けるたびに丁番と受け座のねじに力がかかり、薄い化粧板の扉ではねじが効かなくなって受け座ごと浮いてきます。
パーティクルボードの家具で下穴を大きくあけ直した箇所は、とくに保持が甘くなりがちです。
位置がずれている場合は、また別の症状になります。
磁石と受け座が片当たりして扉が斜めに止まり、閉めるたびに角が当たる音がします。
この状態は吸着力を上げても解決せず、受け座の位置をずらすか、調整代のある製品に替えるほうが早いです。
剥がした跡が心配で貼るだけの固定を探しているなら、ねじを使わないマグネットホルダーの使い道で解説している考え方のほうが向いています。
パッケージのどこに吸着力と寸法が書かれているか
ホームセンターの家具金物コーナーでは、台紙付きの小袋で売られていることが多く、表面に吸着力のNと外径または全長、入り数が書かれています。
裏面や台紙の下部には、下穴径・対応する扉厚・付属ねじの有無・磁石とケースの材質が載ります。
通販の商品ページなら、写真ではなく仕様表を開いて、受け座が付属するかどうかまで確かめてください。
ここが別売の製品もあります。
100円ショップの補修部品として並ぶものは、表記が簡略で吸着力の数値が書かれていない場合があります。
既存の穴に合わせる後付けなら、外径と穴のピッチを定規で測ってから買うのが確実で、マグネットキャッチは100均で買える?ではサイズの見分け方を解説しています。
なお品揃えは店舗と時期で入れ替わるため、同じ物が常に並んでいるとはかぎりません。
よくある質問
冷蔵庫や洗濯機の扉にマグネットキャッチを付けられますか
ねじ止めや埋め込みで固定する金物なので、家電の扉には使えません。
家電の外装に穴をあける改造も勧められません。
家電周りで何かを留めたい場合は、磁着させるタイプの製品を選んでください。
吸着力の数字は大きいほど良いのですか
いいえ。
数値は扉を引き剥がすのに要る力なので、大きいほど開けるときに重くなります。
開ける人が誰かと、扉の大きさや反りの出方に見合う範囲で選ぶほうが、扉も丁番も長持ちします。
扉が閉まらなくなったら交換するしかないですか
まず受け座と本体のねじを締め直し、位置がずれていないかを見てください。
調整代のある製品なら、受け座を前後にずらすだけで直ることがあります。
それでも隙間が残る場合は、扉の反りや丁番の緩みが原因なので、キャッチの交換だけでは解決しません。
まとめ
マグネットキャッチの数値はN表記の吸着力で、密着した状態でまっすぐ引き離したときの力を表します。
選ぶときは、扉の厚みで面付けか埋め込みかを決め、開ける人に無理のない強さの範囲で扉の大きさに見合うものを選ぶ順序になります。
弱くて閉まらないのか、位置がずれて片当たりしているのかを切り分けないまま強い製品に替えても、症状は残ります。
ぜひ本記事のタイプ別の比較表と寸法の確認手順を参考に、手元の扉に合う1つを選んでください。





